主に北海道において畑に暗渠排水を取り入れることは常識となっていますが、それ以外の地域ではまだまだ周知されていないのが現状で当社には秋から春にかけてほぼ毎日問い合わせがありますが、「畑に暗渠を入れたい!」という連絡はまずありません。(役所から効果や資料、説明を求められた事はありますが)
それでは、どの様なメリットがあるのか簡単に説明します。詳しくは、こちらをダウンロードして下さい。
畑の暗渠の効果を別ページにも詳述しています
畑の整備が一般的になっている北海道の平成22年(2010年)整備・未整備の比較調査レポートがあります。
調査自体は何年かしているのですが、2010年を選びました。
この年は気象庁データによると
平年値より気温+0.8℃、降水量117%、日照時間92%という高温・多雨・日照不足という最悪な条件でした
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/cgi-bin/view/hist.php?reg_no=2&year=2010&month=0&kind=0 |
その2010年(平成22年)においての効果としては
図にある通り(PDFはこちら)
・畑地帯の小麦 +11%
・馬鈴薯 + 8%
・大豆 +22%
と、約10~20%もの収量増となっています
天候条件がまずまずだったH21年との比較においては、
H22年は収量減となっていますが、未整備と比べ影響は少なくなっている事が右の図からわかります
一般には天候不順で野菜がーー。。と言われますが、
水はけを改善する事でその影響はかなり少なくなると見ています
水に強い、寒さに強い、日照不足に強いタネは必要かと思いますが、まずはその圃場土壌に合った適切な農地整備(暗渠)が一番大事です
北海道農政部 "基盤整備の有効性に関する調査報告 平成23年2月",http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nkk/
畑の暗渠方法については、農林水産省から発行されています「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説 暗渠排水」が教科書となっています。下記は、それからの抜粋となっています。
畑の暗渠のために貯水池(浸透池)を掘る
畑の暗渠をする場合、付近に排水路や下水道などがない場合があります。暗渠水をどこに流すかを決めてから施工する必要がありますので、ない場合には自分で掘削して貯水池や浸透池を作る方法もあります。
まず、設置場所は自分の敷地内で低地でありさらに浸透池の場合には、水の浸透の良さそうなところを選びます。
浸透池の場合には、その場所が本当に水の浸透が良いのかを試験して浸透係数を測定するのが一番いい方法ですが、専門の道具と知識が必要となりますのでそれが出来ない場合には、なるべく大きな穴を彫りそこにバケツで水を何杯か投入して、水位が低下しての浸透がどれくらいの時間で達成されるかを目視などで確認します。
その上で、下の図のような穴を重機で掘削します。
上の写真では、農家の方が自分で油圧ショベルを借りてきて掘削した事例ですが、このまま放置すると何年かすると雨や風等により掘削断面が崩れてしまい底が浅くなったり池そのものが消滅する恐れがあります。
運営会社:
日本暗渠排水協会 幹事
トーヨー産業株式会社